38: 作っている途中のものを見せるのは出来上がったものよりも何だか楽しい
Feburary 8, 2013
公開時のURL:https://hmsk.hatenablog.jp/entry/2013/02/08/000000
幾らかの納品が立て込んでいて、家すら出ていない日が続いていた。昼間にスターバックスに足を運ぶのがやっとの外出なくらい。平日の昼間のスターバックスは店全体の落ち着き方がいつも以上で、店員すら陽気だ。差し出したカードが真っ黒なデザインだったのを格好いいわね、どっち側でスワイプすればいいのかしらみたいなことをお姉さんが云いながら会計を進めてくれる。受け渡しのために伝える名前もKengoと云って聴き取れた(ここでは僕が外国人だが)外国人はAdam以外にいないので、もう諦めてKenと伝えるようになった。ただ、Adamが僕の名前を覚えたのは聴き取ってくれてから更に1ヶ月以上がかかった。Hamachangでインプットされてしまっているらしい。
部品を触る
前職の米国法人のお姉さんの旦那さんが暇を見つけて連絡をくれて、TechShopに出かけた。こっちのTechShopやFabLabを見ておきたいと思っていながらもなかなか動けず終いだったのを救ってくれたのは感謝しきれない。車でMenlo Parkから海寄りの方にそのTechShopは位置していて、駐車場はいっぱい。中に入れば溶接から木工まで機材から何から揃っていて驚いた。世話焼き職人気質みたいな人がいるみたいで、これ見ていけよとプラズマカッターで鉄板を切り落としている様子を見せつけられてドヤっとされた。
実習を受けるとその機材を利用出来るようになったり、得意分野に合わせて他の開発者達と助け合ったりして、最後はKickstarterなりIndiegogoで製品に出来るようにする。うまくいったらそれを実践実習に入れ込んで...というサイクルがうまく回っているそうだ。こういうサイクルは日本だと回ったとしても東京でしか成り立たないイメージが強くて、田舎っぽい場所に人が集まって成り立つのは何だか悔しい。実習工場の先生達の顔を思い出して、ここでドヤ顔して旋盤を教えて、先生の手にかかったものがKickstarterで注目されるなんて図はなんて素晴らしいんだという想像をしたが、母校に帰ってそれをちゃんと伝えられる自信は無かった。
色んな機械を分解して要らなくなった部品を箱が積み上がる横には、作業台が並んでいてここで様々な部品を触りながらブレーンストーミングすると聞いた。ブレーンストーミングと聞いて想像するのは、付箋を並べてとか五月雨式に書きまくるとか頭にあるものを引きづり出すような形が多いが、ものを触って頭を刺激して取り出すというのはなるほどというか今まで思いつかなかったのが少々ショックだ。結局自分の頭から出てくるものなんて、今までの体験ベースなのだから、取り出すタイミングで体験を増やすというのは出てくるものの幅なのか深さなのか何かが大きくなるようなイメージを直感出来るからきっと良さそうだというのが一番の収穫に終わった。