いわゆるテンダーロインの側を通って日本のカレーを食べに行った。野球のバッドを肩に歩いている女性やずっと怒鳴りながら金や煙草、携帯電話を求める人に遭遇した。多分もう少し遅い時間だったら手遅れだった。

　カツカレーは美味しかった。が、ここ最近は日本の居酒屋とか日本の寿司とかそういうものばかりにルームメイト全員で連日行っていて、帰ったらいくらでも味わえてしまうものだから変な感じもする。Adamは最初の頃は少し遠慮していた熱燗を平然と何度も口に運ぶようになった。納豆、山芋のネバネバを除けば何でも食べれるし、初見はちゃんと食べてみて美味しいかを決めるのは偉いなあと子どもを見るような感覚でいて僕も見習ってみれば、赤系のキャベツだと思いこんでかき込んだピクルスに涙した。

　もう次に一緒に出かけられるのはしばらく先だろうということで、ユニオンスクエア周辺を散策して普段はバスに乗る距離である駅まで話しながら歩いた。また来るつもりだし、来いよと言ってもらえているのであまり不安は無いし、どうせウェブがあってそれでどうにでもなると吹くのが仕事だけれどなにぶん大きな距離には寂しさみたいなのを感じさせる。

　どうだったかと尋ねられるだろうが、ただ良かったとしか言いようがない。