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98: 子どものUSパスポートの取得

April 9, 2022

us

子は出生を以てアメリカの市民権を与えられているので、少なくともそれを保持する限り、アメリカの出入国については基本的にアメリカのパスポートを使用することが求められる。日本に居る祖父母に顔を見せるにしても、アメリカ人として飛び立ち、アメリカ人として自宅に戻ってくる。入国審査は市民のレーンを通り抜けるらしいのだが、子が主体となり市民ではない両親を携えて旅をしている格好になりそうで、今まで市民ではない者のレーンをおそるおそる抜けていた身からすると皮肉じみて感じる。

準備書類

発行料は希望する発行物次第だけど、パスポートカードという国内ではパスポートと同様の効果を持つ追加のカードを興味本位で希望した。いわゆるパスポート(パスポートブック)ではないので海外で同じ目的で使えるわけではないよう。

印刷したフォームの署名欄は事前にサインしておいてはならないのがトラップ。また、本人および両親(あるいは欠席する親の同意書面)の立ち会いが子の国際的な誘拐みたいなやつを防ぐ目的で必須になっている。

アポイントメント

日本ではパスポートのために独立してつくられた場所に訪れて手続きをしていたので、特定の限られた店舗ではあるものの、USPS(郵便局)という場所で手続きするのは拍子抜けというか、何か意外に感じた。

USPS のウェブサイトからアポイントメントを予約することができて、15分のスロットが与えられる。結構混み合っているようで1ヶ月近く先の日を指定することになった。大使館や領事館のアポイントメントでは定番の仕草が通用するのか、ちょっとでも早められればと数日に一度アポイントメントの予定変更ができる画面をチェックしていたら、偶然手前でキャンセルされて空いたスロットに変えられる機会に何度か出くわした。

申請手続き

アポイントメントの10分前に指定した USPS を訪れ、郵便手続きができる窓口の隣に “Passport” の大きな表示を見つけて、それの指す大きな部屋の中に入ると、二十数人が椅子にかけている(Covid に絡んで部屋には最大10人までと書かれた注意書きが虚しく見えた)。ここで案内を待てと入ってすぐのところに表示があったので、しばらく立っていたら、先に入った人たちに整理券を取るんだよと教えられ、お礼を言いながらそそくさとそれを取り待合席に自分たちの場所を陣取った。

同じ時間帯のスロットでこんなに同時に手続きする人が居るのかと驚いて見回していると、自分たちのアポイントメントの時間になり、係の人が名前を呼び上げてくれたところで、自分たちには整理券も必要なければ、ここに居る大勢の人たちはアポイントメントを抑えていない、飛び入りの申請者たちであることがわかった。遠い日しか指定できないアポイントメントを待つより、早々に窓口に来て座って待つこともできるのだろう。

そこからは書類の提示、身分証明と併せて本人と両親の顔を確認、支払い(発行料のチェックを出しつつ、申請料をその場でクレジットカードで決済)と手慣れた進行を家族三人で座ってほとんど眺めているだけ。確認を待つ時間への気遣いなのか窓口の人がくれたハイチュウがまだ口に小さく残ったまま、最後に右手を挙げて虚偽の申請がない旨を Swear した。準備資料がしっかりしていたようで、終始窓口の人に褒められながら10分もかからないうちに終わった。自分たちがスムーズに終わったのもあってか、次はアポイントメントにある名前ではなく、整理券番号らしきものを今しがた手続きをしてくれた人が読み上げている声が、部屋を出るときに後ろから聞こえてきた。

今後の更新

更新手続きは、16歳になるまでは今回と同じ準備(書類も更新用の DS-82 ではなく、新規発行用の DS-11)が必要とのこと。つまり子と両親全員が共に手続きに同行する。5年有効のパスポートしか発行できない16歳までの間に、国外旅行をするつもりである限りは、あと2, 3回は同じ手続きを踏む必要があるようなので、こうして体験を書き残しておくことにした。